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マンションを修繕する

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【マンションは老朽化する】
 どんな新築ピカピカマンションも、必ず老朽化します。これは避けて通れません。
 ですが、老朽化の速度を抑えることも、間違いなく可能です。
 色あせてきた塗装、外壁の小さな亀裂…一見大したことない僅かな老朽化を放っておくか、お手入れしてあげるかで、マンションの将来は大きく変わります。
 毎日正しく歯を磨いていれば、将来歯がなくなってしまうのを防げるのと同じこと。
 何事も、日々の積み重ねが大事なのです。

【修繕周期と修繕計画】
修繕周期の例
拡大図はコチラ
 この表は、一般的なマンションにおいて、何年毎に、どんな修繕が必要かを表しています。
 例えば鉄部塗装(さび止め)は設立から4年で最初の修繕が必要です。立体駐車場は5年おきに修繕が必要です。
 注目すべきは12年周期で、屋根防水、床防水、外壁塗装、調査診断などが重なっていますね。これらをまとめて一度に修繕するのが「大規模修繕」と呼ばれます。
 こうした周期的・計画的な修繕とは別に、経常的修繕(雨漏りの補修、応急処置など)、大規模以外の計画修繕(グレードアップなど)が必要になってきます。
 各マンションが、その立地や状態に合わせて、将来必要になる修繕、それにかかる費用を予想し、それに向けた修繕計画を立てておくことが大切です。

【安すぎると心配、修繕積立金】長期修繕計画総括表
拡大図はコチラ
 大規模修繕に係る1戸当たりの負担金は、平均100〜120万円と予想されます。
 定期的な大規模修繕だけでこの金額。経常的修繕、その他の計画修繕はまた別途必要です。
 「いざ修繕!」となったときに、「お金がない」という理由で修繕ができず、先送りや手を付けられないといった具合になると、建物はどんどん劣化していきます。
 マンションはコンクリート造りだし、60年位は持つんでしょう?といった相談もよくお受けしますが、それは計画修繕を適切に行った場合です。修繕を適切に行えば、もっと長く持つかもしれません。
 ですが、修繕を行わないと60年なんてとても持たない!という恐れもあります。実際にバルコニーや廊下が老朽化で崩壊したり、壁から水が漏れだしたりという報告は多々受けています。
 そこまでなってから、いきなりマンションの全員に修繕費用が足りないから100万円ずつ払えと言われても難しいですよね(これも現実によくあることです)、ですから毎月、修繕積立金を支払い、いつか来る大規模修繕に備えているのです。
専有床面積当たりの修繕積立金の額
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 しかし、適正な積立金はいくらなの?修繕計画がないからいくら貯めればいいのかよく判らない…

 こうした管理組合様に目安となるのが、国交省から出された、修繕積立金ガイドラインです。これを参考に、適切な金額を積み立てていることが大切です。
 ただし、このガイドラインで示されている金額は、新築の時から値上げせずにずっと一定額を貯めた場合(均等積立方式)について示されています。
 
 このガイドラインによると、鹿児島で多い中規模程度のマンションにおいて適正な修繕積立金は、月に235円〜430円/u(平均は315円/u)、一般的な70u前後の部屋だと、月22,000円ほどです。
 新築から10年経過したマンションで、これまで修繕積立金が8,000円だった場合、10年間の差額(14,000円×12か月×10年=168万円)が不足することになります。
 つまり、新築時から現在までこれに満たない金額を貯めてきているマンションでは、ガイドラインの金額に上乗せしてこれまで不足した分の積立金も貯めていく必要があります。
※修繕積立基金がある場合には、その分だけ不足分は補えます。
※機械式駐車場やタワー式駐車場がある場合には、これに上乗せしてメンテナンス費用や修繕積立金を貯める必要があります。

 皆さんのマンションの修繕積立金、足りていますか?


【積立金以上のメリットをもたらす修繕】
 毎月15,000円の負担は、決して軽くはありません。
 さらに痛いのは、返還されない事です。新築で買って、最初の大規模修繕の前に退去する場合、返してもらえないのでなんか損した気分になるかもしれません。
 しかし、適切に管理運営してきたマンションなら、決してそんなことはありません!その理由は…

@資産価値が上がる
 修繕積立金が適切に積み立てられていること、このこと自体、マンションの価値を上げています。大規模修繕が近い中古マンションというだけで、まず買手は選択肢から外します。ですが「修繕積立金がきちんと積み立ててありますから、あなたの負担はありませんよ」と言われれば、買手も安心できます。修繕時期と重なり、買い手が付かないという事態を回避できる可能性が高まります。
 そして適切な修繕が行われているマンションは、年数が経っていても資産価値は高いままでいられます。ぶっちゃけて言えば「高く売れる」ことに繋がるわけです。

A不測の事故に対応できる
 平和なマンションに、ある日突然とんでもない事態が起きて、修繕が必要になった場合、その修繕のために修繕積立金を取り崩して使うことができます。総会の決議など、条件はありますが、ほんとにもうどうしようもない「これじゃ住めないよ!」という時、助かるかもしれません。
 これじゃ住めないよ!という時、修繕の為に各戸100万円出しましょうと言われて、出せる保障はありませんよね。更にマンションで特有なのが、多数の方がその100万円を出せないと修繕ができないことです。出せない方が多いと管理組合も成す術がなく修繕が遅れてしまうこともあります。

B建替えまでの猶予が長くなる
 詳しくは「マンションの将来を考える」をご覧ください。

 ちなみに、当事務所の調査によりますと、鹿児島のマンションの修繕積立金の平均額は、110円/u程度です。前述の70uの部屋なら7700円程度に留まっています。
 新築、中古問わず、この管理費・修繕積立金が安いことを売りにしているマンションがあることも事実です。毎月の支払額が高いと敬遠され、売れないからです。
 ですが適切な積立は、毎月の支払が痛いというデメリットを補って余りあるものです。

 真面目にコツコツ、安心が長く続くマンション。
 優等生すぎる話に聞こえるかもしれませんが、本当に得をするマンションとは何か、目先の利益に飛びつかず、是非しっかりと検討されてください。

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