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Q3 貯まった管理費等の保管にはどのような方法がありますか?

 マンションの管理費等は多数の組合員から毎月のようにお金が入金されますので、相当な金額が集まることとなります。そして、その中でも修繕積立金などは将来の修繕のために貯められるお金ですので、10年も経てば何千万という金額にもなります。
 こうなれば、普通預金だけで運用するのがいいかどうかという議題も理事会で提案されることになってきます。

 まずは、組合員の大切な資産ですから、運用先を変更するには決議が必要であるということは念頭に置いてください。

 その上でどのような運用先があるかといえば、普通預金、定期預金、決済性預金、すまい・る債などが考えられます。管理組合の資産ですので、安全性と運用した場合の利益を考えて、ここでは上の4つを紹介します。
 まずは、「普通預金」については、管理費等の入金先でもあるので普段からこちらに貯まっていくものと思われます。特に何の手続きも行わないのであれば普通預金に貯まっていきます。ですが、ペイオフという制度があり、金融機関が破たんしてしまったときには1,000万円までしか保証されません。

 続いて、「定期預金」については、普通預金よりも利率が高い分、預け入れ期間が決まっており、原則として期間満了までは引き出すことができません。また、定期預金もペイオフの対象であり、銀行破たん時には1,000万円までしか保証されません。
 これに対して、「決済性預金」はペイオフの対象外ですので、銀行破たん時でも全額保証されます。ただし、利息が付かないというのがデメリットでもあります。

 最後に、「すまい・る債」ですが、住宅金融支援機構が発行する債券です。定期預金等に比べて利率も高く、リスクゼロではありませんが比較的安全な商品となります。ただし、購入できる管理組合の条件や募集期間、その他にも様々な条件があります。

 以上のうち、「すまい・る債」の場合は住宅金融支援機構のマンションリフォーム融資の保証料の優遇が受けられる等の特典もありますので、将来、修繕資金を調達する際にもメリットがあります。
 また、定期預金や定期積金を活用して、早い段階から銀行取引の実績を作っておけば、管理組合で銀行から融資を受ける場合にも審査上有益ではないかと思います。

 管理組合の大切な資金ですので、最大限組合員にメリットがあるように活用されることをお奨めします。